書評

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12月の読書②『うそコンシェルジュ』『虫坊主と心坊主が説く 生きる仕組み』

津村 記久子 著『うそコンシェルジュ』(新潮社・2024) 津村記久子さんの本は、出版されたら基本的には全部読んでいます。今回も期待を裏切らない面白さでした。「いるよね~こういう人。」というかんじの人が次々に登場します。そうか、こういう人に...
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12月の読書①『団地のふたり』『また団地のふたり』

藤野 千夜 著『団地のふたり』(双葉文庫・2024) 藤野 千夜 著『また団地のふたり』(U-NEXT・2024) 今年は、吉本ばななさんの『下町サイキック』に続き、またもやほっこり系の小説に心を奪われた。 小さいころから同じ団地で育った幼...
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【展示会紹介】奈良県立美術館「エドワード・ゴーリーを巡る旅」 ”Journey to the World of Edward Gorey”

奈良県立美術館で開催されている「エドワード・ゴーリーを巡る旅」に行ってきました!開催期間は、2024年9月14日(土)~11月10日(日)。 241009140850485 エドワード・ゴーリー(1925-2000)は、大人が楽しめるシュー...
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10月の読書『本心』

平野啓一郎 著『本心』(文藝春秋・2023) 「自由死」が合法化された近未来の日本。亡くなった母を VF(ヴァーチャル・フィギュア)としてAIで再生させた朔也は、母がなぜ「自由死」を望んでいたのか、聞くことのできなかった母の本心を探ろうとす...
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初秋の読書『下町サイキック』

吉本 ばなな著『下町サイキック』(河出書房新社・2024) 下町に暮らす中学生のキヨカは、近所に住む友おじさんが運営している「自習室」のそうじのアルバイトをしている。父親の女性問題が原因でキヨカの両親は離婚し、今は母親と二人で暮らしているの...
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夏の読書『アルプス席の母』

早見和真さん、イヤミスはもちろん、高校野球や書店をテーマにした作品など、いろんなタイプの小説を書かれて幅広い作家さんだと思います。なんとご本人が、元巨人の高橋由伸さんと同じ高校で野球をされていて、高橋さんのプレーをみたことで野球の道を諦め、...
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初夏の読書『燕は戻ってこない』『静かに生きて考える』

7月も半ばとなりました。最近読んで良かった本2冊。 桐野夏生著『燕は戻ってこない』(集英社・2024) 29歳で非正規雇用の女性リキは、葛藤の末、代理母出産の仕事を引き受けることに。家庭、子ども、収入と定職……持つ者と持たざる者の葛藤を描き...
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4月の読書『お梅は呪いたい』『ある行旅死亡人の物語』

藤崎翔著『お梅は呪いたい』。面白かったです!設定が良かった。古民家の解体中に木箱の中から出てきた不気味な日本人形は、かつて戦国大名を滅亡させた呪いの人形お梅だった。500年を経て久々に世に出ていたお梅は、現世でも人を呪い殺そうとするが、何故...
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2024年本屋大賞『成瀬は天下を取りにいく』、7位入賞『リカバリー・カバヒコ』

2024年本屋大賞受賞作品は宮島未奈著『成瀬は天下を取りにいく』。本屋大賞候補に選ばれてから読んだのですが、めちゃくちゃ面白かったです!予想を超える世界観でした。著者のデビュー作だそうですね。 主人公の成瀬あかりは、ぶっとんだ女子で、自分の...
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2024年本屋大賞候補作『黄色い家』 

2024年本屋大賞候補作1冊目は川上未映子著『黄色い家』。 2020年、世の中がコロナに翻弄され始めた春、惣菜店でアルバイトをしている40歳の花は、吉川黄美子が若い女性の監禁・傷害の罪で逮捕・裁判になっていることをネット記事で知る。20年前...