藤崎翔著『お梅は呪いたい』。面白かったです!設定が良かった。古民家の解体中に木箱の中から出てきた不気味な日本人形は、かつて戦国大名を滅亡させた呪いの人形お梅だった。500年を経て久々に世に出ていたお梅は、現世でも人を呪い殺そうとするが、何故かお梅を手にする人には、次々と幸運が訪れることに……?! 売れないユーチューバーは、夜中にスマホに写っていた、動くお梅の心霊動画が大バズり!自堕落な生活をしていた失恋女子は、お梅がつけたEテレの特集をみて、自身の乳がんを早期発見することに……。 著者はお笑い芸人として活動していた時期もあるそうで、笑いあり感動あり、おススメの1冊です!
武田 惇志、伊藤 亜衣著『ある行旅死亡人の物語』。ネットニュースでも取り上げられていて、ずっと気になっていた1冊をついに読みました。共同通信社の記者お二人による共著。「行旅死亡人」とは、住所や名前の分からない死者のことである。2020年4月、兵庫県尼崎市のアパートで、現金3400万円を残して孤独死した身元不明の女性。調べるうちにこの女性が「田中千津子」さんであること、広島にルーツがあることなどが分かってきて……。死亡記事では、身元不明の女性の孤独死としか扱われていなかった事例だが、我々と同じように、幼少期に家族や友人と過ごしていた過去を持つ、一人の女性としての半生が少しずつ明らかになっていく過程に、通勤途中の電車で読んでいて続きが気になり、一気に読んでしまった。著者があとがきの中で、調べていくにつれ「田中千津子さんに生きているうちに会いたかった」と述べていたが、読んでいる方も同じ感情を抱いた。
この4月は、順調に読書ができています。気になっていた本や、今まで手に取ったことのなかった著者の本も読むことができて、この調子で積ん読を解消していきたいと思います。
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