2023年本屋大賞候補作『ラブカは静かに弓を持つ』 

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2023年本屋大賞候補作3冊目は安壇美緒著『ラブカは静かに弓を持つ』。失礼ながら著者の「あだん・みお」さんの作品、今回知人からこの本を借りて、初めて読ませていただきました。クラシック音楽の知識があまりない私でも、とても面白く読めました。

著作権法の演奏権侵害を調査するため、幼少期に習っていたものの、とある事件をきっかけに封印していたチェロを武器に、音楽教室に潜入調査に入る橘。しかし、音楽教室のチェロ講師・浅葉や、その教室の音楽仲間たちとの思わぬ交流が生まれ、再びチェロを奏でることで充実感を感じるようになった橘は、スパイである自分の立場に孤独と悩みを抱えることになり……。

橘の、人との関わりに感じる煩わしさや諦めの描写にとても共感できて、まだ1作品しか読んだことはないのですが、著者のファンになりました。同著者の『金木犀とメテオラ』も気になるのでチェックしておきたいです。

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