藤野 千夜 著『団地のふたり』(双葉文庫・2024)
Amazon.co.jp: 団地のふたり (双葉文庫 ふ 22-05) : 藤野 千夜: 本
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藤野 千夜 著『また団地のふたり』(U-NEXT・2024)
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今年は、吉本ばななさんの『下町サイキック』に続き、またもやほっこり系の小説に心を奪われた。
小さいころから同じ団地で育った幼馴染の50代女性二人、なっちゃんとノエチ。
なっちゃんの本業はイラストレーターのようだが、どうやら今はフリマアプリやネットオークションでものを売ることで生計を立てているようだ。ノエチのお兄ちゃんの不用品や、団地の人が持ってきたものも、報酬を折半する約束で売っている。ノエチはどこかの大学で非常勤講師の掛け持ちをしている。
月1で届くお取り寄せの旬の野菜セットを調理して一緒に食べたり、テイクアウトの台湾料理を持ち寄って台湾映画を観る「台湾映画祭」を開催したり……二人を中心に、団地に住むおばちゃんたちや、実家が資産家らしく、マンションに一人暮らししながら文学者を志す浅野くんとの交流……つつましくも彩のある生活に癒されて、ずっと読んでいたくて、自分も仲間に入りたくて、2冊を一気に読んでしまった。『またまた団地のふたり』(仮題)を早く出版していただきたい!
面白かったのが、文中に実在の俳優さんや芸人さんの名前が出てきたり、大谷選手の愛犬デコピンの話題が出てきたりと、団地の世間話がノンフィクションであること。そういうところが、この団地がすぐそこにありそうな気持ちにさせてくれる要素かもしれない。
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